【県民割延長】海辺のホテルで夕日を見ながら生ビール!

夕まずめの海を眺めながら生ビール

県民割が6月末まで延長

5月末日が期限とされていた県民割を利用しないのはもったいないと、先月はロッテアライリゾートに泊まりで生ビールを飲みに行った。その際、行き先の第一候補は上越市内の海辺のホテルだったのだけれど、そちらは満室で予約が取れなかった。そもそも部屋数が少ないのだ。

そうこうしていたら、県民割延長のニュースが聞こえてきた。とても「お得」なことは先月の利用で分かっていたので、味をしめて先回予約できなかったホテルに電話を入れてみた。一応ネットの予約サイトで宿泊プランと空室を確認してから電話をしたので、今回はすんなりと予約ができた。

古代が香る温泉

金曜日、早番の勤務を終えて帰宅した妻と、車で20分ほどの海辺のホテルへ向かった。フロントで接種済証明書や免許証などを確認してもらい、2000円ずつのクーポンを受け取る。このクーポンで生ビールを飲もうという魂胆。

夕食を6時半にお願いして、それまでの間にさっそく温泉へ。4階の浴場からは日本海が広々と一望できて、眼下の砂浜では釣り人が竿をしゃくっている。
「マゴチを狙っているのかな?」
明日の朝は自分も釣りをするつもりで、ホテルまでの道すがら、釣りエサの「ジャリメ」を仕入れてきた。

ご当地の頸城地方にはコールタールのような匂いのする温泉が多い。松之山温泉、雪だるま温泉、糸魚川温泉など、いずれも地下1,000mよりも深い地層から汲み上げられる。

ナトリウムやカルシウムを多く含む塩化物泉は、数万年前に地中に閉じ込められた「化石海水」が地下深くのマグマに温められたものらしい。今回宿泊する「マリンホテル・ハマナス」の上下浜温泉も、そんな古代の香りのする塩辛い温泉だ。

日本海の夕日と冷え冷えの生ビール

夕食の席に着いてすぐに「生ビール」を二つ注文した。テーブルの上にはすでにご馳走が並んでいて、今が旬の「ウスメバルの塩焼き」が嬉しい。

大窓の外に目を向けると夕日の見頃にはまだ少し時間があるようで
「19時 6分だって、日の入り」
と、スマートフォンを見ながら妻が言った。

ほどなく運ばれてきた生ビールは中ジョッキの表面が白く霜で覆われ、盛り上がった細かい泡がいかにも美味しそうで、テンションがあがる。

ビールは10°C前後が適温とは言うけれど、私たちはその冷え過ぎかもしれない生ビールに込められたホテルのサービス精神に感じ入った。

海辺のホテルで生ビール


夕日は水平線の上で雲に隠れ、あまり鮮やかな日没ではなかったけれど、生ビールを飲みながら夕暮れの海を眺めるのは、結構贅沢なひとときだった。
中ジョッキを2杯ずつ飲んで、妻はグラスビールを注文し、私は「地酒の飲み比べセット」を注文した。

ホテルの裏はサーフフィッシングの好ポイント

朝5時の砂浜は釣り人で満員御礼

本当は4時過ぎには起きて釣り場に立つ思惑だったのだけれど、目が覚めたら5時をまわっていて、窓から見る砂浜はすでに釣り人で埋まっていた。

「埋まっている」とは言っても、おそらく釣り人の間隔は10 m以上は開いている。でも、その間に割り込む図々しさは自分にはない。今はキス釣りのシーズンで、遠投する人は数十メートルも仕掛けを放るので、間隔を空けないとすぐに隣の人と釣り糸が絡んでしまう。

私はホテル下での釣りをあきらめて、鵜の浜温泉方面に釣座を求めて車で移動した。そして小高い場所から眺めてみると、延々と続く上越の海岸線の見えなくなるほどの遠くまで、釣り人は定規の目盛りのように等間隔に並んでいた。

入れ食いのタイミングでタイムオーバー

ジャリメ(ゴカイ)をつけて30m程ほうった三本針を、海底の起伏を感じながらズリズリと引いてくる。キスは起伏のある砂底が隆起する「駆け上がり」で餌をさがす習性があるらしく、重りをひきずる抵抗の具合でキスがいそうなポイントを探る。
それを繰り返していて、案外キスの掛かるのが波打ち際のせいぜい10m以内であることが判り、チョイ投げ釣りに作戦を切りかえると、一投ごとにそこそこ良い形のキスが掛りはじめた。

三本針に二匹が掛かってきたりもする。隣でルアーを放っていた釣り人が、いっとき姿を消したと思ったら、ゴカイを買いに行ってきたのか、キス釣りをはじめた。

釣れ始めたタイミングで名残惜しかったけれど、ホテルの朝食の時間になるので、釣りを切り上げてホテルへ戻った。

生ビールで充電して日常へ

土曜日の午前中は本来は仕事が入っているのだけれど、午後に繰り下げてもらっていた。

昨日の夕方から今日の昼までの、20時間足らずの近場でのバカンス。とは言っても、海と温泉とご馳走を求めて遠くからやってくる人たちもあるわけだから、身近に楽しめるというのは贅沢なことなのかもしれない。

おなじ時間なのに、普段とはちがう濃密な一日だった。

釣果を肴に缶ビール

釣れたキスは本当なら新鮮なうちに刺身や天ぷらで楽しめればいいのだけれど、帰宅した当日は泊まりの仕事が入っていたので、とりあえずエラと内臓だけ除いて、塩水に浸し冷蔵庫に入れておいた。
そして翌日、それを串に通して一昼夜外の風に当て、後は串から外して数日冷蔵庫で熟成。本日、めでたく缶ビールのアテとなった。